「人より10歩先に行っているのは、2歩後ろにいる人と一緒」
【誰も気にしないメッセージ】
タイトルの言葉は、ピコ太郎こと、古坂大魔王氏の言葉ですが、今日は昨今クライアント先で毎回のように頂くお題として、コミュニケーションの旬について考えてみたいと思います。
先進的な取り組みをされている企業でも、時代の流れでやや後塵を拝する企業でも、悩みのポイントはほぼ同じ、メッセージが響かない、届かない、理解されないというものです。
身近な例を考えてみましょう。
一世を風靡したギャグでも、2年前の「ネタ」は、「使い古し」、「時代遅れ」など「いけてない」イメージがあり、気にされないメッセージになってしまいますね。
同様に、10年先の「ネタ」はどうでしょう?
早すぎて、理解できない、ついて行けないなど、面白くない内容になってしまい、結局は届かないメッセージとなってしまうでしょう。
正に、古坂氏の言葉が示す通り、「過ぎたるは及ばざるが如し」ですね。
【旬を感じるには】
では、上手く旬にフィットしたメッセージは如何にして発信できるのでしょうか?
そもそも、旬とは何か?を考えてみる必要があると思います。
ギャグの例で言えば、確かに旬は存在しますが、20年前の「ネタ」が面白い、いわゆるリバイバルという旬が存在することはご存知の通りで、旬というのは流動的な概念だと言えます。
一方、普遍性という概念も存在し、宗教の説教や哲学、経験に裏付けされた法則などは、時代を超えた説得力がある存在と言えるでしょう。
普遍性の内容は学びが必要ですが、旬を捉える基本は、届ける相手を知ることが欠かせません。
今日は相手を知るための、「聴くこと」と「想像すること」のヒントを2つご紹介したいと思います。
【合わせることを学んで欲しい】
秋田の東成瀬小学校、中学校を訪問した際の出来事をご紹介します。
この小中一貫校については、全国でも名前が轟く有名校なので、詳しくは以下を参照して下さい。
小中連携研究会について(秋田魁新聞)
https://www.sakigake.jp/news/article/20180801AK0016/
教育方法について(女性セブン)
https://www.news-postseven.com/archives/20160730_434208.html
図書について(女性セブン)
https://www.news-postseven.com/archives/20160802_434518.html
鶴飼教育長インタビュー
https://libinfo.fjas.fujitsu.com/libschool-vpr/post_19.html
この学校では、ほぼ全ての生徒が合奏部に所属しており、何らかのパートを担っています。
もちろん情操教育の一環という側面は間違いなくあるのですが、その本質は、「合わせる」ことを体験して欲しいというものです。
合奏は全員の息が合わなければ、綺麗なメロディーにはなりません。
従って個人パートの鍛錬もさることながら、アンサンブルをしっかり練習し、オーケストラとして美しいハーモニーを奏でるためには、各パートの息を合わせることが肝になります。
「他のパートと合わせることを学んで欲しい」との思いから、全生徒に体験してもらっているそうです。
【一緒に歌うことは、聴くことを学ぶこと】
ウーマンオブザ・ワールドという、バークリー音楽学院出身のインド、イタリア、日本、ハイチ系アメリカの4人の女性シンガーから成るボーカル集団で、31カ国語以上のレパートリーを持っている、2014年全米アカペラチャンピオンです。
世界各国を訪問しながら、現地の言葉で現地の歌を歌うことで世界とつながる活動を行なっているそうで、先日来日し、ラジオ番組での出演時にMCのジョンカビラ氏に活動について聞かれた際、一人のメンバーが、
「一緒に歌うことは、聴くことを学ぶことだ」
とコメントしていたのが印象的でした。
【旬とは相手にとっての今】
今日の事例から何を学べるのでしょうか?コミュニケーションとは、正しく伝えることより、相手に伝わる、理解してもらえることを重視した、相手の「今=旬」を考え抜くことなのではないでしょうか。
ただし、ややもすると何処かの国の政府や行政で横行している、「忖度」にならないように注意は必要でしょう。
それについては、DLAの理念である、多様性とは多数派が少数派を許容するのではなく、人間は全て等価(=シンメトリー)であり、お互いの能力を引き出すという心構えが必要ですね。
詳しくは過去記事をご参照ください。
DLAでは相手の旬を考えたコミュニケーショントレーニングを実施しています。ご興味のある方は是非お問い合わせください。
金杉リチャード康弘
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