無意識の偏見をなくすにはーアンコンシャス・バイアスに打ち勝つ方法
注目を集める「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス / Unconscious Bias)」
昨今、ダイバーシティの推進において非常に注目されているのが、
無意識の偏見(unconscious bias)(リンク先 外部サイト)です。
文字通り、意識しないで持つ偏見によって、
多様性の推進を阻害してしまう要因となる心の動きです。
言葉で説明してもなかなかピンと来ないかもしれませんので、
誰でも理解しやすく、納得感のある例をお示ししたいと思います。
我々も持っている無意識の偏見について考えて見ましょう。
パラリンピックはオリンピックより劣るのか?
毎回のごとく、テレビ放映の量を含め、
オリンピックより注目度が低くなってしまう印象のあるパラリンピックですが(残念ですね)
この夏のパラリンピックでは、男子陸上1500メートル走において、
素晴らしいレースが展開され、驚くべき結果となりました。
2016年9月11日、
アルジェリアのアブデラティフ・バカ選手が3分48秒29で金メダルに輝き、
次いでタミル・デミッセ選手が銀メダル、ヘンリー・カーワ選手が銅メダル、
そして4位がフォーダ・バカ選手(優勝者の双子の弟)の3分49秒84というかなり僅差な激しいデッドヒートの戦いでした。
しかしこのレースが驚きだったのは、
この4人により、約1ヶ月前に行われたリオ・オリンピックの同種目の金メダリスト、
アメリカのマシュー・セントロウィッツ選手の優勝記録3分50秒00を上回るタイムが出たことです。
誰もが悪気なく持ち得る思いこみがある
レースを見なかった方にこの話を差し上げたら、どんな反応が返ってくると想像されますか?
「え、本当ですか?」、「嘘でしょう?」、「本当に同じ競技ですか?」
という答えが普通なのではないでしょうか?
これ、無意識の偏見ですね。
障害を持った方が、健常者のオリンピック選手に同じ競技のタイムで勝るとは考えていないことがその要因でしょう。
誰が持っても不思議ではない思い込みで、
しかも、偏見であることに気づく人も多くないと思われます。
しかし、リオのパラリンピックで起こったこのことは、紛れも無い事実です。
しかも、障害を持つ選手の記録が、そうでない選手の記録を上回ることは、今回だけ特別に起こったことではありません。
ロンドン・パラリンピック男子陸上走り幅跳びの覇者であるマルクス・レーム選手が、
今年の2月に世界選手権で健常者の選手をおさえて金メダルを獲得した事実もあるのです。
先ずは隗(自己常識の破壊)より始めよ
人は、外見やこれまでの常識に惑わされ、無意識に偏見を持ってしまいやすいものです。
だからこそ、意識して目の前の人と正対し、本質をみる努力が必要です。
多様性を持ったリーダー育成はその姿勢が第一歩です。
すなわち、自分の常識を疑い当たり前だと思っている固定観念を打破することがスタートです。
2020年、いよいよ東京が五輪の開催地になります。
我々には、無意識の先入観を持たず、様々な方々のお力を借りて、想像以上に素晴らしい大会を迎えるチャンスがまだあります。
「どうせ無理」、「できない理由を考える」のではなく、
偏見を捨て、どうすればできるか?という発想を癖づけたいですね。
無意識の偏見(Unconscious bias)をどうなくすか?
過去記事でも触れましたが、
Symmetry(シンメトリー=異なるものどうしが等価)であること」を認識することがそのヒントの1つです。
具体的な解決方法にご興味のある方、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
金杉リチャード康弘