あなたは楽しんでいますか?〜組織に眠る才能の発掘方法②
【楽しむというスキル】
組織に眠る才能の発掘方法の後編です。
前編では、大学生と小学生のプログラミングスキルの習熟度合いについて触れました。
今回は、「”楽しむ”スキル」について考えてみたいとおもいます。
”仕事を楽しんでしていますか?”という問いに、自信を持ってYesと回答できる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?読者の皆さんはいかがですか?
少なくとも楽しめる部分があると答える方も多いでしょう。
筆者の周りにも、何をするにも常に楽しんでできる方が多くいらっしゃいます。
総じて、楽しむことで成果にも繋がり易いことは、ご想像に難くないことと思います。
DLAでは、伸び代を測る要素の1つとして、物事に楽しんで取り組めるか?が重要だと考えています。
DLAの人材開発メニューに、初見への対応力を多角的に測り、鍛えるプログラムがあります。難しく、受講者が1回でうまくいくケースは少ないメニューです。
うまくいくケースは少ないのですが、受講者の皆さんを観察すると、中には硬直されてしまう方もいますが、楽しんでおられる方も多いのです。
この経験から、楽しむこと自体は、比較的ハードルが低いことかもしれないと感じています。
人間にはもともと好奇心が備わっており、知らないことに出会い、知識として吸収することを楽しいと感じる生物だと言えるでしょう。
しかし、同時に、知るために行動を起こす必要があり、且つ、失敗するリスクが高い場合、本能である好奇心より、恐怖や失敗したくないという感情、他者に失敗した姿を見られたくないという気持ちが優ってしまうことも、人間の持っている性と言えましょう。
では、この楽しむという本能的なスキルを常に発揮し、伸び代を伸ばしていくにはどうすれば良いのでしょうか?
楽しむというと、個人的な感情のようですし、これに限らず、スキルを鍛えたり、習得したり、計測するのは主に個人に焦点が当たっていたと思いますが、DLAでは個人だけでなく、チームとしてのスキルを重要だと考えています。
ので、ここから先では、楽しむというスキルについても、個人だけでなく、チームとしてのスキルの鍛え方について、考察したいと思います。
【小さな挑戦を繰り返す】
“楽しむ”感覚を鍛えるためのヒントの1つ目は、”小さな挑戦を繰り返す”こと。
つまりいきなり大きな壁に挑むというのではなく、小さなハードルに数多く挑戦し、そのハードルを超える経験を積むことだと考えます。適切な高さのハードルをチームの役割としての個人とチームに設定し、しっかりモニタリングすることが肝要です。
「勝ち癖」という言葉がありますが、小さな挑戦を毎日繰り返し、毎日壁を超え達成する経験を積むことで、挑戦そのものに対する抵抗感を下げるだけでなく、達成=楽しい経験が繰り返され、むしろ積極的に挑戦したいという気持ちを引き出すことが可能になります。
反対に、挑戦することが珍しく、しかも高い壁に向かうものである場合、慣れない経験+難しい挑戦=成功確率が低くなるという図式になり、挑戦そのものがネガティブなイメージとして記憶されることになってしまいます。
【慣れ親しんだ事への挑戦】
新しい事での小さな挑戦は、実は取り組み易い事柄だと言えるかもしれません。
なぜか?最も難しい挑戦は、よくわかっている事、慣れ親しんだ事に対する挑戦だからです。よくわかっていることは、惰性・慣性が働いてしまいます。
そこに対し、発見したり、新たなやり方で取り組もうとしたり、成長しようとしたりすることは、とても難しいことです。
この、慣れ親しんだ事への挑戦では、2つのヒントを記載したいと思います。
1つ目は、学べる要素を持った優れた人材・やり方と組み合わせること。
その道のベテラン、専門家、周囲から最も能力が高いと見なされている方は、自身や自身のやり方を否定することが極めて困難であり、自然と挑戦から遠ざかってしまう傾向が強いようです。
そんな時、必ずしも同じ職種でなくても、違う世界に目を向けて、自身より優れた人材や、素晴らしいやり方に目を向け、自身への取り入れ方を考える、という方法が有効である場合が多くあります。
その対象は、プロスポーツ選手・チームかも、有名な実業家、歴史家、政治家かもわかりませんし、新入社員、子供かもしれません。
あるいは自然のメカニズムやテクノロジーからも、学べることは多く存在します。
しかし、自身で自身より優れた人材を認めることは非常に難しく、その意味でもチーム・組織として適切な対象を見定め、”プチ教師”として目標に取り入れる仕組みを構築するということが有効です。
DLAでは他者の違いを認め、受け容れるというトレーニングを行っていますが、これの最初のステップは、自身の足らざるをしり、固定観念を壊すという内容です。
一線で活躍されている方ほど陥り易い意識の固着化を乗り越え、身近にも沢山存在する、学べる相手・やり方を見つけ、チームとしてどう設定するかを学びます。
【一度否定してみる】
2つ目は、敢えてこれまでのやり方を封じてみることです。
自身や自身のやり方を否定しゼロから考えてみるのです。
とは言え、言うは易し、行うは難しです。
DLAでは、幾つかの方法論を持っています。が、これについてはまた改めてご紹介したいと思います。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
金杉リチャード康弘
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