要素分解と再構築という視点を身に着ける
要素分解と再構築で物事を理解するとシンプルに考えられる
私は、プログラミング教育を通じて、子供たちに要素分解と再構築のスキルを身に着けてほしいと考えています。
プログラミングは、一つ一つの単純なコマンドが複合的に合わさって複雑なプログラムとなりますから、単純なコマンドを理解し、目的に応じて組み合わせる事が基本的な作業となります。
このことは、様々なシーンでみられることです。
例えば、料理。
カレーライスを作る場合は、具・ルー・米などの食材のほか、鍋・油・水などさまざまな道具も必要です。
まずこれらを用意するところから料理は始まり、手順にしたがって使うモノを組み合わせていきます。
会議などでも同じです。
人数・場所・時間などのほか、目的・現状と課題・上がっている解決案などが必要であり、それらを会議を通して、整理整頓し、点と点を組み合わせるような再構築から決定へと至ります。
たいていの場合、「分からない事」が前に進むためのブレーキになっていると思いますが、出来るだけ要素分解して要素に分けてみると、分かることがいくつかあったり、要素を整理整頓する事で、すっきりと見やすくなってすっきりした感覚になれます。
分からないからと、止まったままでいるのではなく、要素分解してみるといいでしょう。
要素分解の考え方を大学生に活用した実際のケース
先日、大学生に我々が行っているプログラミングイベントのレポートを書かせてみた時の事です。
1時間で1,000文字程度書くように指示したところ、学生は「レポートが苦手」という意識からなかなか手を付けられないでいました。
30分ほどして進行具合を聞いてみたところ、なんと100文字もかけていないではありませんか。
そこで、要素分解と再構築の考え方を伝える事にしました。
イベントにもさまざまな要素があり、それらが組み合わさって出来ています。
時間・場所・子供の数・スタッフの数・使用した資料・授業内容・実施の目的などです。
その他、準備や学生が参加した理由などのバックグラウンドと、それぞれのシーンで自分がどう感じたかなども要素として加わってきます。
これら項目に従って、書き出させるとスラスラ出てきます。
それから、「実施した日の流れ」を中心に再構築してもらうと、20分程度で1,000文字に達しました。
「1,000文字に達したので、まとめにはいっていいよ」と伝えても、「まだ書きたいことがある」といい、結局2,000文字くらいのレポートを書いてくれました。
レポートが苦手と言っていたのにです!
ここで分かるのは、レポートという大きな課題と向き合ったときに、苦手意識からアレルギーが出てしまった大学生。レポートをもっと細かな要素に分けて、一つ一つに取り組めば、課題が小さくなって取り組みやすくなった事例です。
要素分解と再構築のスキルを身に着けるには
「仕事」という大きなテーマ、「サービス」に区切ってみて「プロジェクト」に分け、「タスク」に落とし込むと取り組みやすくなります。
苦手意識も克服できる考え方だと思います。
では、どのようにすると要素分解と再構築を身に着けることができるのでしょうか。
要素分解は、観察する力が必要でこれには訓練が必要ですが、それに加えて、知識も必要です。いろいろな要素について知っておく必要があるのです。
そしてそれらは、小学校から学んでいる勉強に多く含まれていて、勉強の大切さをいまさらながらに考えさせられます。社会人になっても勉強を続ける事は大変有意義なことです。
再構築のスキルは、体験学習や物語に触れることが有効のように思います。
体験学習では、様々な取り組みに触れることができ、再構築の例を体現することが出来ます。
物語に触れる事も、自分が出来ない経験や考え方を知ることが出来、枠にとらわれない視点を養うことが出来ます。
なぜだろう、と何度も問いかける事もスキルアップに有効でしょう。
大森洋介
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