新時代に必要な11人の戦士〜人材活用・組織分析の新たな視点〜
【そもそも、なぜ多様性がここまで求められるのか?】
チーム力の強化や人材を見極める際、根拠や、確信を持ってアサインや実行プランができないなどでお困りになった事はないでしょうか?
昨今クライアント先で頂く課題として、優秀人材の採用や、配置転換が上手く行かない、重要案件のチームメンバー選定が苦戦する。と言った内容が急増しています。
加えて、現在の制度では評価も納得性が低下しているというお話も枚挙にいとまがないほどです。
では、今起こっている変化を推理・検証してみましょう。
・テクノロジーの進化・企業(グローバル)競争の激化による、成長ドライバーとしての事業スピードの位置づけの高まり(=適応力の重要性が増大)
・学校・企業・個人におけるビジネススキル・専門性開発意識の高まりによる個の力の向上と人材需給ギャップの存在(=個の力での勝負の限界)
・よって、組織力=Σ人(人起点)から、Σスキル(スキル起点)という競争ステージの変化が求められていること。
が原因を解く鍵になりそうです。
上記変化に伴い、新しい製品・サービスを連続して創出させる必要性が増し、加えて労働人口の減少に伴う、働き方改革の推進など人材多様化の加速などにより、組織・人事分野における既存の見方、運用に制度疲労が生じ初めた事が、原因ではないでしょうか?
【競争ステージの変化による人材マネジメントとは?】
人材的にも制度的にも多様性が求められることで、人材マネジメントはどのような対応が必要なのでしょうか?
人起点:スキルやコンピのリスト(静的・一律・固定・MECE)から
スキル起点:特徴的(必要な)スキルにもとづく必要な複数の偏った人材像(タイプ)へ(=1人が複数のタイプをもつこともあり、むしろ望ましい)
更には、目的(戦略)や環境(組織)に応じた上記の組み合わせ
上記を踏まえ、DLAではこれまでの多くの経験から、新たな人材活用・組織分析のマネジメントツールを開発しました。
【個・チーム・環境要因と11の人材タイプ】
今までの人材評価は学歴や、企業のコアビジネスの実績、即戦力となりそうな経験などの過去実績を中心に、比較的似通った能力や行動特性を持つ人材を目指すべき優秀人材像として定義してきましたし、これまではそれが上手く機能した成熟した環境だったと言えるでしょう。
しかし、これからは非連続で破壊的なイノベーションが必要な新たな環境で、均質性より際立った個性とそのミックスが不可欠な要素になって来るのです。
すなわち、様々な経験や能力を持った多様な人材の叡智の集積と、その叡智を遺憾無く発揮するための最適な環境が不可欠となります。
DLAでは、必要な能力・行動特性を11のタイプに分類し、それを3つの切り口に整理しました。
まず、切り口からですが、1つ目は「個」の見方です。
11タイプは、1人が1つのタイプに分類されるのではなく、1人の人材が複数の能力や特性を持つこともあり、それぞれの強さがどの程度か?を見る事で、どのような種類の業務に向くのか?どんな進化の可能性がありそうか?を洗い出します。
2つ目は「チーム」の能力分布です。
11タイプの分布と濃度を確認する事で、チームの強み・不足機能の状態やバランスを可視化します。つまり能力分布のマッピングです。
これにより、どんなビジネスに適応できるか?どんな機能を強化すべきか?を洗い出し、チームメンバーとして個がどのような役割を担うべきか?を確認します。
最後に3つ目はチームや個に影響を及ぼす「環境要因」です。
「個」や「チーム」が持っている能力がストックだとすると、活用されている状態はフローと言えるでしょう。
つまり、ストックだけを見ても十分ではなく、実際の運用においては、活用量、発揮度合いを見なくてはなりません。
しかし、ここで問題なのは、フローは一定ではなく、“水物”だと言う事です。
有機体である組織や人材は、常に様々な環境要因で変化します。
DLAでは、影響を及ぼす要因として“Objective=戦略や目的”と“組織=構造・文化・ルール”を選定しました。
それぞれどのような影響を及ぼし合っているか?によって、状態が変わる事がこれまでの数多くのプロジェクトで起こりました。
上記によって、個とチームの「旬」の度合いを可視化する事を目的としています。
11の人材タイプ
グループ1:ディレクター、ダイバースリーダーの2タイプ
グループ2:メンタリスト、ストラテジスト、マッチメーカーの3タイプ
グループ3:エグゼキューションデザイナー、ストーリーテラー、コンシェルジュ、パフォーマーの4タイプ
グループ4:ステージデザイナー、ファイヤーファイターの2タイプ
11の人材タイプについての考え方の概要、運用段階における影響要因等については次号以降でご紹介します。
ご興味のある方はぜひ、お問い合わせください。
金杉リチャード康弘
「事業と人を伸ばす本当の人事考課 ~1on1がもたらすパラダイムシフト~」
人も育ち、結果も出し続けているチームに共通する特徴はなんだろうか?「業績が成長しているのでチームの雰囲気が良い」「良い人材が集まっているので業績が伸びている」等、結果論的なものではなく、組織として、自らの力で安定的にそのような状態を作り出し・維持するための共通の特徴がそこに存在した。
それは、人事が常に目指し、チャレンジしてきた人事考課制度を事業のPDCAのツールとして埋め込み、人事考課で組織を成長させるという、 “組織成長の基本原理”を成立させる、制度運用の効率性・低負担化の中からはでてこなかった、
「当たり前の徹底」だった。
【人事考課は、そもそも「組織を成長させる要素を体系化したもの」だった】
組織や事業を成長させるために、目標と実行計画の策定・浸透、その進捗フォローと実行課題への対応が必要であることは言うまでもない。ただ、それだけでは足りない。
この、所謂、組織業績管理まででは、状態把握はできても、改善活動の推進力を生み出すことはできない。
そこで、マネージャー達は、この推進力を生み出すために、自ずと部下の活動管理を行い、課題改善、すなわち育成に取り組んできた。
この活動管理こそが人事考課そのものであり、故に「自ずと」取り組みの質・程度にマネージャー間で差がでていた。
それを標準化することでベースアップを図り、継続実施を支えるよう昇進や報酬といった処遇とも連動させ、モチベーションに作用するように体系化したのが人事制度である。
しかし、この成り立ちに反して、「活動管理」と「人事考課」の両者はそれぞれの道を歩いたままであり、人事考課は、いまだに、年2回ある面倒な事務作業となったままである。
【制度を回す“事務”に工数が割かれ、“信頼関係構築”が犠牲になった】
このような状況において、多くの企業でとられたアプローチは“人事考課制度の徹底運用”だった。
いかにマネージャーの活動管理を効果的に実行するかではなく、制度サイドからの改善と運用徹底のアプローチだった。つまり、誰もが頭ではわかっている制度の必要性を説き、同時に制度の運用負担を減らすことで、ルール通りに確実に制度を運用してもらおうという“少なくともこれだけはお願いアプローチ”である。
その甲斐もあり、制度実施率(手続きとしての取り組み完遂度)は高まった。しかし、従業員満足度調査などから出てくる回答は、いまだに「人事考課が機能していない」である。
やるべきことがルール通りやられているのに、機能していないのである。
実はこれは当然の帰結であり、考課の大前提である考課者と被考課者の信頼関係の構築が十分でないことが起因している。
制度改善の“これだけはお願いアプローチ”は、制度の枠組みの範囲内で効率性を追求するアプローチであり、いかにマネージャーの活動管理の効率性と有効性を高めるか?という本質課題へのアプローチではない。
人が人を評価するという絶対解のない世界において、もっとも重要な“上司と部下との信頼関係構築”を現場に任せたまま、制度のみの改善、個別最適を追求してしまったのである。
もちろん全てのチームがこのような状況であるわけでなく、組織も人材も成長し、人事考課もきちんと機能しているチームもある。
【「コミュニケーション」と「ログ」。これが、マネージャーと部下、お互いを高め合うツール】
その機能しているチームのマネージャーらに話を聞くと、決まって言うのは、
“「コミュニケーションを意識してとっている」という点である。
コミュニケーションをこまめにとることで、リアルタイムに現場の状況を把握でき、良いことも悪いこともその場で認識でき、褒めたり、解決したりできる。
また、部下の力がどの程度のレベルか、具体的につかめ、それが部下にも伝わる。
よって、この高頻度コミュニケーションの継続が、部下との信頼関係を構築し、報連相の心理的ハードルも下がるのだ“
と、これだけ聞くと、さぞかし忙しいのだろうとか、マネジメント業に専念しているのだろうなど思うかもしれないが、決してそんなことはない。
ミーティング前後の端切れ時間や、移動中、昼食や飲み会の席など、ちょっとした2人きり(1on1)の時間をうまくつかってコミュニケーションをとっているのである。
中には考課のフィードバック(FB)もわざわざ時間を取らず、上記のようにカジュアルに済ませてしまうケースもあった。
もちろん、その対話の中から、これは…と思った時には別途きちんとした場と時間をセットして対応するとのことだが、そこまでの話は滅多になく、上記の対話で大方はすんでしまうらしい。
同様に部下の方に聞くと、「いつでも相談やアドバイスがもらえるのでよい」「いつも話しているので、わざわざ評価のFBをもらわなくても、だいたい結果も課題もわかっている」とのことだった。
これまでの常識として、人事考課は大変だから少しでも時間をとらないようにとしてきた、考課情報の収集や、フィードバックのための理論武装などが、逆に部下とのまとまった面談時間の確保の難しさと面談の長時間化を招いていたのだ。
日頃の継続的なコミュニケーションが、実は負担を減らし、効果も高めるという、今までのアプローチとは真逆のアプローチこそが、本当は必要なものだったのだ。
【高頻度のカジュアル1on1で組織と人を伸ばす】
この1on1、やり方に若干の差こそあれ、すでに複数の企業で採用され始めている。
いずれのケースでも、導入当初は、その面談頻度の多さから抵抗があり拒絶されるケースもあった。
しかし、やり始め、慣れ始め、そして考課が一周するころにはその有効性と効率性を体感し、より有効に効率にできるよう現場での独自の改善プロセスが回りだすという(有効性を感じたときの現場の力とは本当にすごいものである)。
週1回、隔週で、月1は必ず・・・それぞれの現場で無理なく現実的なプロセスへと収斂され、生きた自分たちの1on1として運用が始まる。
これこそが人事が長年目指してきた、事業のPDCAと人事考課の一体化である。
さらには、言いっぱなしの一話完結型でなく、簡単にログを残して、「前回言っていたXXって、その後どうした?」、「前回アドバイスしたXX、やってみてどうだった?」
と継続的にフォローできるようにしたり、部下が異動した際の、簡にして用をなす引継ぎ資料として活用するといった工夫も講じられている。
この1on1、実は人事考課と部下のためだけでない。
このプロセスを通じ、マネージャーは様々な課題に直面することになる。それぞれ異なる部下の持ち込むそれぞれの課題に1つ1つ向き合って、解決していかなければならない。
これはマネージャー育成にとって最高の場であり、マネジメント力・人間力両面で鍛えられる、どんな研修よりも効果のある取り組みなのである。
人事考課に同様の課題を感じる読者の皆様も、是非1on1をとり入れてみてはいかがであろうか?
DLAは、ダイバーシファイされた組織の力を最大限に引き出し、個々の力を組織の成長へとつなげる人事考課制度の設計・運用サポートを行っております。ご興味がありましたお気軽にお問合せください。
T.Y
マネジメント即戦力を即効力で支える ~戦略人材の導入後の初動を後押しせよ~
【即戦力の見極め】
昨今、メディアでも即戦力や戦略人材などの言葉が日常的に使われているような気がしております。 テレビコマーシャルの中でもBizXXが“即戦力”の人材をテーマにテレビコマーシャルを出しているのも印象的です。
事業ニーズの多様性により、それに対応すべく“即戦力”や“戦略人材”の必要性が高くなっていることの表れだと思いますが、皆様の企業でも外から業界経験者や特定のリレーションを強く持っている人材、他業界人材などを意図的に採用する機会もあるのではないでしょうか?
そんな中、いわゆる“即戦力人材”をどのように選考するのか?即ち、見極めることがこれまで以上に求められていますが、皆様の企業ではいかがでしょうか?
現場営業系、技術系であれば、経歴や資格などを基にヒアリング(1次面接、2時面接、人事面接)・レファレンスといったところでしょうか? “即戦力”として採用したい戦略的なマネジメント人材も同様と思われます。
しっかり面接したはずの人材が入社してから想定のパフォーマンスを出せないケースがありませんか?
これは、皆様が一般的に採用しているプロセスそのものに問題があるのではなく、工程間でのアライメント行為が正しく実施されていない、即ち採用側とされる側のエクスペクテーションに理解の相違が生まれ、戦略人材入社後の行動に迷いが生じるからです。
つまり、採用プロセスの過程で、即戦力人材に明確なミッション・エクスペクテーションを共有し、それに対する回答・ソリューションへのディスカッションをする事で、求める戦略人材なのかを見極める事が重要です。
さらにこの行為は、面談を受ける側にとっても自身がそのミッションに対して、パフォーマンスが発揮出来るかを見極める機会にもなります。
【即戦力 & 即効力】
さて、ではアライメント形成のプロセスを経て、採用された“即戦力”・戦略人材は、入社してからの1週目、2週目はどんな行動をしていますか?
大抵は、仕事をするための様々なセットアップやアドミニ関連の調整をしている姿を見かけたりしませんか?
いくら“即戦力”で採用した戦略人材でも、セットアップやアドミニ調整に時間を取られていてはエクスペクトされているパフォーマンスをすぐには出ません。コストをかけて戦略的に採用した人材ならば、採用側は様々な観点から職場でのロンチサポートする事が会社にとっても、採用された側にとってもメリットになります。
こういった、戦略的人材を採用した際には、ロケットスタートプログラムとして、30Days Launch Plan, 90Days Launch Planを設定し、ショートタームで目標・達成を体験させて、本人が成功を実体験し、本来持ち合わせている力を十分に発揮し、組織への+影響を意図的に生み出させる事が重要です。
戦略人材のロンチ成功要員は、
- すぐに稼動できるように、極力セットアップの手間をはぶく
- 入社組織内のナレッジや連携がすぐに活用できるように、組織マトリックス(Who and What to ask)を用意することで情報収集/連携がスムーズに出来るようにし、価値あるコミュニケーションを即実践できるようにする
- アライメントされたエクスペクテーションへのショートタイム目標と達成マイルストーンを設定する
などのロンチサポートを考慮する事が成功の鍵になります。
DLAでは、多様化する人材とその採用を成功させるために、採用サポートから採用された人材(戦略人材)のロケットスタートプログラムもお手伝いさせて頂いております。ご興味のある方は、是非お問い合わせください。
プルック・エディー・ヴィリヤブパ
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