新時代に必要な11人の戦士 ~勝利へのシナリオを描く3人〜
【新時代に必要な11人の戦士 ~勝利へのシナリオを描く3人〜】
戦略の立案において、科学的・感覚(感情)的両面から仮説を構築し、
検証することの必要性・重要性は従来から述べられてきました。
物質的豊かさが進み、ユーザー満足度の基準が高まっている現代において、
その重要性はより一層高まり、踏み込んだ分析が求められています。
その科学・感覚(感情)両面から深く分析された結果は、私たちに、
従来の発想や方法では対応できないシナリオの構築を求めています。
今号では、このような状況に対応しうる、高度化されたプランニング機能を担う
3つの人材タイプ
「メンタリスト」「ストラテジスト」「マッチメーカー」
についてご紹介します。
<徹底的に観察し・相手になりきる「メンタリスト」>
行動、表情、発言・・・相手を徹底的に観察し、そこからどんな思いでいるのか、
何を望んでいるのかなど相手の気持ちを察することに強みを持つ人材タイプです。
ゆえにユーザーの本質的ニーズや、現在の自社の製品・サービスがユーザーの感情に
いかに作用しているか、またどのような反作用を生み出しているか推察し、
プランニングにフィードバックすることで製品・サービスの提供価値向上を実現します。
このメンタリストは、感情だけでなく、相手の能力的特徴や力量/ポテンシャルも
見極めるため、チーム体制(個のスキルと関係性の組み合わせ)検討にも貢献します。
行動特性としては、以下のようなものがあげられます。
・物事に対し、物理的側面からよりも、感情や心理的側面から分析的思考を展開する
・観察結果に基づく推論による論理展開、「自分が顧客だったら、XXをして欲しいと
思う」「こう感じるはずなので、よい/悪い」など相手の立場に立った発言を行う
・顧客の行動や思考をとらえるだけでなく、そこから自社の製品やサービスを
利用・購入する動機、さらにはそれをどう生み出すかといった私たちの行動シナリオに
転換できる
・周囲から、精神的拠り所、頼りにされることが多い
・初対面の人であっても、限られた時間の中で相手の性格や思考クセなど内面的な
部分を読み取る
<科学的なアプローチで解決策を導き出す「ストラテジスト」>
情報の階層構造(因果、抽象と具体、目的と手段)を理解する認識力と広い
見識・教養から、検証することで解を導きだせる精度の高い仮説と、必要な
多角性をもった検証ロジックの策定ができ、そこからロジカルにプロトの要件導出や
具体的な施策の策定を行うことに強みを持つ人材タイプです。
データに裏付けられた科学的アプローチにより合理的・効率的にプランニング実務を
主導する軸になる人材タイプです。
行動特性は以下のようなものがあげられます。
・情報の整理が得意で、説明がわかりやすく、ファクトに基づく論理展開を行う
・他者では気づかない分析や検討の切り口を提示し、課題の本質にアプローチする
・課題、要件、ソリューション、タスクスケジュール全てにおいて行動レベルの
具体性が担保されている
・プランニング作業の設計・分担や、他の人材タイプへの働きかけといった実務面で
リーダーシップを発揮する
<指数関数的に実行力を強化する「マッチメーカー」>
チャレンジングなゴールの実現やストラテジストの描いたプランの実現に向け、
どのようなリソース(人・モノ・情報など)が必要で、かつそれらがどのように
結び付けられるべきかを考え、実現する人材タイプです。
時間・空間別々に存在し、通常であれば出会うことのない要素同士を結びつける
ことでどんな化学反応がおこるのかを創造し、その出会いを演出。さらに、
検討・推進体制に組み込むことができるという強みをもっています。
行動特性は以下のようなものがあげられます。
・取り組み内容を正しく理解でき、そこから必要なリソースの質まで考える
・創造力が豊かで「XXとXXがあわさると、こんなことができる/おきるかもしれな
い?」といったブリッジさせる思考・発信が多く、なぜそう思うかまで説明できる
(単なる思いつきでない)
・人脈を構築することが得意、新しいものが好きで、意外な人とつながっていたり、
モノ・コトを知っていたりと、何かと引き出しが多い
・人に、他の人や新しい経験、機会など様々なものを紹介することが好き。
また、紹介する理由がユニーク
この3つの人材タイプの協働により、戦略の構築やプロトの開発が、感情面にも
深く踏み込んだ分析も踏まえて行われ、実行体制も多くの可能性を秘めたものと
なります。
まさに「この体制がうまく回れば、確実に実現できる」と思えるプランの構築が
可能になります。
うまく進んでいるチームを見ると、程度の差こそあれ、この3つの人材タイプが
直接/間接問わず関与しているケースが多いです。
皆さんの周りで成果を上げているチームを見てみてください。
そういえば彼/彼女はこのタイプだな・・・なんて思いませんか?
次号では、エグゼキューション(実行)機能を担う4つの人材タイプ
「エグゼキューションデザイナー」「ストーリーテラー」「コンシェルジュ」
「パフォーマー」についてご紹介いたします。
なお、DLAではこれら人材タイプの発掘・育成もかねた「戦略策定道場」も
行っています。
こられのタイプに該当しそうなポテンシャルのある社員を選抜し、
ワークショップ形式で本物の戦略構築/磨き上げを行うご支援です。
ご興味ございましたら、是非お問い合わせください。
T.Y
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新時代に必要な11人の戦士 ~勝利へ導く2人のリーダーとは?〜
【新時代に必要な11人の戦士】
今後加速が予想される、事業スピード・課題難易度の両方の高まりに対応できるだけの組織適応・対応力を持つには、人起点での静的な組織づくりから、スキル起点での動的な組織づくりに変わる必要がある。このような背景から、私達DLAは、人材活用・組織分析のマネジメントツールとして「11Type(イレブンタイプ)」を開発し、前号でその予告を告知させて頂きました。
今号から5連載で、その具体的な構成人材タイプの説明と活用方法(活用例)をご紹介して参ります
まず、前号からしばらく時間があいてしまい、申し訳ありません。大変有難いことに、多くの企業様から「具体的にどんなことに使えるのか?」といったお問い合わせ、コンサルタントの方々から「お客様に活用したい」といったお話をいただき、議論をさせていただくことができました。
その中で、多くの貴重な意見・ご指摘をいただけ、公開前からどうしてもUpdateしたく、お時間をいただいてしまいました。その罪滅ぼしというわけではありませんが、DLAの新しい人材タイプ「新時代に必要な11人の戦士」シリーズは週次で発信させていただきます。
<人材タイプ定義の前提:マネジメントを支える4つの機能>
人材タイプというものは、事業環境や戦略の変化に適応した組織をつくり、人材を育成する規範となる基準である以上、短サイクルで変わるものではいけません。そのため、今回DLAは、
・テクノロジーがビジネス・戦略を創造する要素が高まっており、競争優位のファクターが質からスピードに変わった(競争における先行者利得の拡大)
・経営・事業課題の難易度・複雑性が、優秀な個人による解決ではなく、チームの最大パワーによる対応を求めている
という、競争や企業運営の在り方を変えるレベルでの変化に基づいて、マネジメント各機能の今後のあり様をまず定義しました。その結果、私たちDLAは、これからのマネジメントの在り様として、以下の4つの機能が必要だと考えました。
・リーダー:方向性を示し、置かれた状況に最適なスキルセットを組織化し、アフターアクションレビューを通じて成果創出を主導する機能
・プランニング:観察と分析により精度の高い仮説を構築し、常識や習慣にとらわれない大胆な発想で、斬新なアイデア・シナリオを描きだす機能
・エグゼキューション:シナリオにそって、徹底的に顧客のニーズの本質・源泉を追求し、その実現に向けて関わる人全てを主役にしながら実際に結果をだす機能
・プラットフォーム:チームが成果創出に向け、安心かつ集中して取り組み続けられるソフト・ハード両面での環境・場づくりを行う機能
これらの機能定義ごとに必要な人材タイプを規定することで、一定の普遍性を持つ11の人材タイプを以下の通り導出いたしました。
今号では、リーダー機能を構成する「ディレクター」「ダイバースリーダー」について、ご紹介します。
<常に求め続けられるリーダー・オブ・ザ・リーダー「ディレクター」>
ビックピクチャを描き、チームが進むべき方向の明示とその実現のシナリオの骨格として取り組み全体のアーキテクト(体制含む)を構築し、最適化する/維持する。さらに、チームが機能するよう、内部外部のボトルネックを取り去るという人材タイプです。
この人材タイプは所謂リーダーとして普遍的に求め続けられているものですので、おおよそイメージがつくかと思います。
行動特性としては、以下のようなものがあげられます。
・率先してチームの進むべき方向性を考え、発信する
・チームが今後直面する事象やリスクを示唆し、いかに備えるかといった注意喚起を行う
・行動する際、物事を始めるに当たっては、必ず目的の明確化、確認、共有をしっかり行う。
・個別タスクよりもチーム全体の状況をまず考える。一方で、メンバー個別のコミュニケーション(支援指導・鼓舞)も重視する
・チームメンバーが判断に迷った際には、明示的/暗示的に意見を求められる/頼られる
<具体的に現場をリードする新しいリーダー「ダイバースリーダー」>
チームの現在/将来に必要な能力/異能を見極め、多様化された集団をまとめあげ、能力を引き出し、成長と最高のパフォーマンスを発揮させる人材タイプです。
競争が、「均質化された人材タイプとその量」で行われていた時代から、「個の強み・特性の組み合わせ」で行われるようになることで、新たに、そして強く求められる人材タイプです。
行動特性としては、以下のようなものがあげられます。
・セオリーや前例を重要な1要素として扱え、多角的な観点で必要性・有効性が検討・検証された、・良い意味で意外性・斬新さのある人材登用を提案する/行う
・決めつけや、偏見を持たず、メンバーの素の特性を良し悪しではなく、強弱で見極める、意外な一面によく気づく
・チームをスキルの足し算だけでなく、人間的相性も踏まえた掛け算で考える
・相手に考えさせ・行動を促すことでメンバーの強みや個性を引き出し・活かすコミュニケーションをとる(自分の考えと違っても、それを受け、ぎりぎりまで介入しない)
・メンバーそれぞれの強みや個性を意識し、それを伸ばす・より活かすにはという観点で指導・育成を行う
この2つのタイプのリーダーによって、チームが成功するための骨格が形成されます。特にダイバースリーダーは、今後強く求められるリーダー像になってくるとDLAは考えております。皆さんの周囲に、このようなタイプの人材はいらっしゃいますでしょうか?
次号では、プランニング機能を担う3つの人材タイプ「メンタリスト」「ストラテジスト」「マッチメーカー」についてご紹介いたします。
なお、DLAではダイバースリーダーを育てるご支援も行っております。ご興味ございましたら、是非お問い合わせください。
T.Y
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新時代に必要な11人の戦士〜人材活用・組織分析の新たな視点〜
【そもそも、なぜ多様性がここまで求められるのか?】
チーム力の強化や人材を見極める際、根拠や、確信を持ってアサインや実行プランができないなどでお困りになった事はないでしょうか?
昨今クライアント先で頂く課題として、優秀人材の採用や、配置転換が上手く行かない、重要案件のチームメンバー選定が苦戦する。と言った内容が急増しています。
加えて、現在の制度では評価も納得性が低下しているというお話も枚挙にいとまがないほどです。
では、今起こっている変化を推理・検証してみましょう。
・テクノロジーの進化・企業(グローバル)競争の激化による、成長ドライバーとしての事業スピードの位置づけの高まり(=適応力の重要性が増大)
・学校・企業・個人におけるビジネススキル・専門性開発意識の高まりによる個の力の向上と人材需給ギャップの存在(=個の力での勝負の限界)
・よって、組織力=Σ人(人起点)から、Σスキル(スキル起点)という競争ステージの変化が求められていること。
が原因を解く鍵になりそうです。
上記変化に伴い、新しい製品・サービスを連続して創出させる必要性が増し、加えて労働人口の減少に伴う、働き方改革の推進など人材多様化の加速などにより、組織・人事分野における既存の見方、運用に制度疲労が生じ初めた事が、原因ではないでしょうか?
【競争ステージの変化による人材マネジメントとは?】
人材的にも制度的にも多様性が求められることで、人材マネジメントはどのような対応が必要なのでしょうか?
人起点:スキルやコンピのリスト(静的・一律・固定・MECE)から
スキル起点:特徴的(必要な)スキルにもとづく必要な複数の偏った人材像(タイプ)へ(=1人が複数のタイプをもつこともあり、むしろ望ましい)
更には、目的(戦略)や環境(組織)に応じた上記の組み合わせ
上記を踏まえ、DLAではこれまでの多くの経験から、新たな人材活用・組織分析のマネジメントツールを開発しました。
【個・チーム・環境要因と11の人材タイプ】
今までの人材評価は学歴や、企業のコアビジネスの実績、即戦力となりそうな経験などの過去実績を中心に、比較的似通った能力や行動特性を持つ人材を目指すべき優秀人材像として定義してきましたし、これまではそれが上手く機能した成熟した環境だったと言えるでしょう。
しかし、これからは非連続で破壊的なイノベーションが必要な新たな環境で、均質性より際立った個性とそのミックスが不可欠な要素になって来るのです。
すなわち、様々な経験や能力を持った多様な人材の叡智の集積と、その叡智を遺憾無く発揮するための最適な環境が不可欠となります。
DLAでは、必要な能力・行動特性を11のタイプに分類し、それを3つの切り口に整理しました。
まず、切り口からですが、1つ目は「個」の見方です。
11タイプは、1人が1つのタイプに分類されるのではなく、1人の人材が複数の能力や特性を持つこともあり、それぞれの強さがどの程度か?を見る事で、どのような種類の業務に向くのか?どんな進化の可能性がありそうか?を洗い出します。
2つ目は「チーム」の能力分布です。
11タイプの分布と濃度を確認する事で、チームの強み・不足機能の状態やバランスを可視化します。つまり能力分布のマッピングです。
これにより、どんなビジネスに適応できるか?どんな機能を強化すべきか?を洗い出し、チームメンバーとして個がどのような役割を担うべきか?を確認します。
最後に3つ目はチームや個に影響を及ぼす「環境要因」です。
「個」や「チーム」が持っている能力がストックだとすると、活用されている状態はフローと言えるでしょう。
つまり、ストックだけを見ても十分ではなく、実際の運用においては、活用量、発揮度合いを見なくてはなりません。
しかし、ここで問題なのは、フローは一定ではなく、“水物”だと言う事です。
有機体である組織や人材は、常に様々な環境要因で変化します。
DLAでは、影響を及ぼす要因として“Objective=戦略や目的”と“組織=構造・文化・ルール”を選定しました。
それぞれどのような影響を及ぼし合っているか?によって、状態が変わる事がこれまでの数多くのプロジェクトで起こりました。
上記によって、個とチームの「旬」の度合いを可視化する事を目的としています。
11の人材タイプ
グループ1:ディレクター、ダイバースリーダーの2タイプ
グループ2:メンタリスト、ストラテジスト、マッチメーカーの3タイプ
グループ3:エグゼキューションデザイナー、ストーリーテラー、コンシェルジュ、パフォーマーの4タイプ
グループ4:ステージデザイナー、ファイヤーファイターの2タイプ
11の人材タイプについての考え方の概要、運用段階における影響要因等については次号以降でご紹介します。
ご興味のある方はぜひ、お問い合わせください。
金杉リチャード康弘