「仕事に潜む魔物」 ~JOBの達成とそれを取り巻く弊害~
【歴史は繰り返される】
昨今、“歴史は繰り返される”と言う言葉が、頭をよぎる場面に多く出会います。
クライアントや友人の勤め先で、ERPの入れ替やSFAの導入/改修、または新規ビジネス開発など、大きなプロジェクトが進められるタイミングで、相談を受ける機会が増え、その殆どが、目新しい問題はない(=歴史は繰り返される)事に気が付いたからだと思います。
一例を挙げると、
・変化を恐れ、重要な情報を最後まで出してこない担当者
・JOBの推進にばかり注力し、JOBの本質が共有、理解されないまま形だけのJOBが進む
・変革を受け入れず、部門ごとにこれまでのやり方で対応、など
皆様もお気づきのように、ERP, SFA, 新規ビジネス開発などのプロジェクトは、その内容自体はどれも新しいテーマでは無く、企業が事業環境変化への対応や継続成長するために従来から取り組んで来たものばかりです。
特に、ERP, SFAにおいては今や当たり前のように使われている用語でもあり、導入方法論やシステムも多くの企業導入経験から、多くの知見が蓄積され、新規導入・改修・入れ替えなどにはその知見を活用し、スムーズなシステム導入とその結果業務改善がなされる事が期待されます。
しかし、現実は必ずしも「経験や知見を使ってスムーズに」とは行かず、ご苦労をされている方も多くいると思います。
また、ERPやSFAのようないわゆる「プロジェクト」でなくとも、日常仕事においてうまく事が運ばないご経験をされている方も多くおられるかと思います。
その理由は、実は同根で企業を取り巻く環境が変化するように、仕事や組織も変化しているからです。その変化や環境にとっての最適な働き方を理解しないまま従来通りに仕事を遂行する事で、現在のリーダー(仕事を動かす人)は、自ら仕事の弊害を作り出しているように思います。
【歴史を繰り返さないために】
仕事への弊害を取り除く(=歴史を繰り返さないため)には、自身とその周り(仕事に関係する人々)が下記のポイントにしっかり向き合う事が大切です。
・プロジェクトや仕事の本質への理解
・プロジェクトや仕事を動かすためにやるべき事
・プロジェクトや仕事が完了した際の姿とは何かを描く
「プロジェクトや仕事の本質への理解」
プロジェクトや仕事の目的、何の為に実施するかが明確になっていますか? それはどのような課題を解決し、どのような人の為になるのかが明確でしょうか? プロジェクトや仕事の本質が理解されないまま、JOBが進む事自体が弊害を生みだします。
「プロジェクトや仕事を動かすためにやるべき事」
プロジェクトや仕事の本質を明確に理解した時点で、その目的やメリットを関係者または、影響を受ける(メリット)人に、その人の立場や視点で腹落ちするように説明する。これは、関係者をBUY-IN(巻き込む)するにも必要なプロセスです。
また、プロジェクトや仕事を遂行するに際し、組織には仕事を“進められない人”と“進められる人”がいる事を明確に理解し、その見極めもしっかり行う事が重要です。
それぞれの特徴を理解する事で、”進められない人”には、進められるような役割と仕事を行って頂き、“進められる人”には、その能力を最大限活かして頂く事が、仕事の弊害を削減する事となります。
進められない人・進められる人の特徴
進められない人 |
進められる人 |
反射的に対応 |
一旦受け止める |
否定から入る(やれない理由探し) |
肯定から入る(やれる事を見つける) |
人に考えを委ねる |
自分で考える人 |
部分最適の視点 |
全体最適の視点 |
技術のベストを尽くす |
ビジネスのベストを尽くす |
自身の正しさを押し付ける |
柔軟に対応する |
オリジナルを目指す |
最初は、真似ることから始める |
プロセスから話す |
結論とプロセスを使い分けて話す |
「プロジェクトや仕事が完了した際の姿とは何か描く」
プロジェクトや仕事は、常に楽しい事ばかりではありません。乗り越えないとならない課題や試練も多く存在します。
そのような局面に出会った際に、現在のプロジェクトや仕事が完了した際の状態を可能な限り具体的に描く事が重要です。
その描かれた将来像にそれぞれの関係者が得るメリットがはっきりしている事で、目指すべき方向性のブレを最小限に抑え、成功へのモチベーションを保つ事も期待されるからです。
これは、BUY-INとほぼ同じ考え方で、プロジェクトや仕事がそれぞれの人の毎日の仕事をより良くするという理解を腹に落とす事になります。
また、完了後の姿にはもちろん、企業としての成功や成長も具体的に描写されるべきなのは言うまでもありません。
我々、DLAでは組織のパフォーマンス向上、働き方改革への課題改善は、基本的な事からの着手で効果が出る事が多いと確信しております。似たようなお悩みを抱えている方が多くいると思います。是非DLAにご相談ください。実体験からWhat to do / not to do をご共有いたします。
プルック・エディー・ヴィリヤブパ