「関心し合う組織」〜新しい目標管理のススメ
【サイロ化でも間に合った時代の終焉】
筆者は仕事柄、様々な企業に伺い、そのお悩み(?)を伺うことが多い。その中で典型的なものの1つは以下のようなものです。
部門横断がない(すなわちサイロ化が進んでいる)、他部署を知らない。
というものです。
客観的な立場から拝見すると、必ずしもネガティブな文脈で語られるという訳ではなく、寧ろ強みの源泉として語られれることも少なくないと感じています。
確かに、コミュニケーションコストが低く(ツーと言えばカー)、同じ文脈を共有しており、効率化、迅速、改善という、今あるものを更によくするという方向では非常に良く機能する側面があることは事実だと思います。
しかし、昨今のように激しい変化の只中、あるいは眼前にある状況下では、意外性、多様な価値観、新たな着眼点でのイノベーションが求められ、同質性は寧ろマイナスに働く確率が高くなる時代の到来と言えるのではないでしょうか。
【「管理する」から「関心し合う」へ】
しかし、単に多様化と言っても、いたずらに組織を横串にして効果が出るものか?という疑問の声は必ず上がります。
そんな疑問に対する1つのヒント、多様化へのキーワードは、「管理する」から「関心し合う」だと考えています。
向かうべき方向性やゴールが明確な場合、質の高い計画としっかりした目標管理ができれば、その達成はある程度の確率で期待できます。
しかし、不確定(答えのない)な問いに対する達成(解)は計画の質を上げることはおろか、何を管理すべきなのかさえ、不透明な状態となります。
やるべきことを愚直に実施する世界観から、未知のものに沢山出会い、多くの刺激の中からやるべきことを探し出す世界観への移行は、広い視野、解らないものを面白がれる気持ち、互いの知恵を引き出し合う試行錯誤などが重要になります。
そのためには、全ての参加者がお互いに関心し合う、多角形の対角線のような幾何学模様の視点が必要です。
【関心し合う目標管理】
加えて、その未知の取り組みを、どのように評価するか、どのように進捗をフォローするか?という目標管理は、固定的な目標(ゴール)と、愚直な進捗管理ではワークしません。
そこでのキーワードは3つ。
①俯瞰的に見て設定できる
②全員の進捗が誰でも見られる
③誰でも自由に口出しができる
つまり、全員がお互いに関心を持つ文化の醸成に他なりません。
上記3つのキーワードを含め、DLAでは、GoogleやFacebookなどシリコンバレーの企業で採用されている、OKR(Objective and Key results)という目標管理の仕組みを、更に一歩踏み込んでMulti Perspective OKR(多角的OKR)の導入支援を行なっています。
金杉リチャード康弘