ダイバースリーダーシップ推進協会 ブログ

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共鳴と振り返り(シンギュラリティ時代の人材マネジメント 第3回)

【共鳴と振り返り】


前回に引き続き、これから本格的な到来をするAIの時代、シンギュラリティ("技術的特異点レイ・カーツワイル)時代の人材マネジメント第3弾です。

(合わせて前回内容も宜しければご一読ください。近々DLAウェブサイトにもバックナンバーをアップ予定です)

 


第3弾は「答えのない中、素早くイノベーションを創出させ続けるマネジメントを確立すること」ですが、DLAではこの新しい時代のマネジメントサイクルのフレームワーク
「5A's」(近日中にウェブサイトにご紹介をする予定です)を開発しました。

今回のテーマは、その「5A's」のうち2つの「A」共鳴(Agree&Align)と振り返り(After Action Review)です。

【イメージの力】


共鳴とは心から同感し、共に行動することと定義しています。それには「イメージ」、「同感=腹落とし」、「協働」という要素が必要だと思います。チームメンバー全員が協働する状態をいかにして作るかを考えてみたいと思います。

まず、「イメージ」ですが、想像=イメージできないことは実践に繋がらない。
反対にイメージが明確であればかなりの確率で実践できます。

ではどの程度イメージできれば良いのか?、それは頭の中で映像化できること、すなわち、計画のシナリオ、行動している状態、達成した姿などが具体的に想像できる状態です。

一流のアスリートもイメージトレーニングを活用していることはよく知られていることですが、出来る感覚を持つことが、重要ですね。


【やってみたいと思える力】


映像化ができても、それだけでは何も起こりません。「なぜそれが必要なのか?」という部分に「心」が納得できなくては行動するためのパワーは生まれません。腹落としでき、さらに賛同できることが重要です。

多くの企業で計画が思うように実践できないという課題を伺います。殆どの場合、計画そのものではなく、その計画を伝えるだけで終わってしまい、イメージが持てているか?実行者の腹に落ちているか?、さらには賛同しているか?には関心が払われないか、その途中で止まっているようです。
つまり、計画策定ではなく、浸透段階での課題です。
プランニングには多大な労力をかけることは少なくありませんが、浸透ステップにおいてイメージが持てるレベルで伝える、腹に落とす(=納得する)ための労力には光が当たらないことが多いようです。

明確なイメージが持て、腹に落ちていれば、「やってみたい」という思いが芽生えます。「やらされる」から「やりたい」への転換が出来れば行動する大きな原動力につながります。さらに単に行動するだけではなく、自らがどの役割を担うか?どんな工夫ができるか?をチーム全員が考える、協働につながります。

多様な人材に共鳴する状態を起こすことは簡単ではありません。しかし、今後は必須になってきます。


【振り返りの力】


振り返ることのメリットは、今更申し上げるまでもないと思いますが、愚直に実行できているか?、自分ではなくチームや組織の振り返りを確実にできているか?となると、理解はしても実践できないことの1つなのではないでしょうか。

シンギュラリティ時代における振り返りでは、3つの要素が非常に重要です。
1つ目がスピードです。これまでのように長い時間をかけた計画や、年に4回(四半期)程度の振り返りではタイムリーに実態を把握し、臨機応変に対応することは難しいと言わざるを得ません。実行後遅滞なく振り返る癖をつけること。言うは易しですが、着実に定着させることです。
DLAでは毎日振り返ることをお勧めしています。「鉄は熱いうちに打て」忘却する前に振り返りましょう。

2つ目が可視化です。何を振り返り、何を明確にするか、1つのヒントとしては、大成功しても改善できることが存在し、どんなに悲惨な失敗の中にも、必ず上手くできていることは存在します。その事実を明確にすることが振り返りの肝です。再現でき、他人に伝えるためには可視化は必須です。確実に実践できるようにしたいですね。

3つ目が共有です。スピーディーに且つ可視化した振り返り内容も、多様な人材にしっかりと共有できなければ改善につながりません。
成功と失敗の両面を一刻も早く共有すること。失敗の共有は多くを学びます。成功の共有はやる気を引き出します。

毎日振り返ることで、失敗から学び、成功を繰り返す癖づけが重要です。


【成功を癖にする熱量】


3回にわたってご紹介して参りました、シンギュラリティ時代の人材マネジメントですが、大きな3要素についてお話しました。

個人を鍛える要素として、「プロの領域とピュアな視点を持つ」こと。その人材を統合するために、「手放す勇気を持った」プロデューサー人材を育てること。そしてその実践を確実にするために「共鳴と振り返り」を仕組み化すること。

不確実性が高く、答えのない中、いかにしてイノベーションを繰り返すのか?それはまさに、小さな成功を毎日繰り返し、それを組織の文化にすることです。全員の本気(=熱量)が集約された組織をいかにして作るか、組織全体の熱量をいかにして最大化し、その維持ができるか?

変化を楽しみ、イノベーションを起こす熱量を持った組織づくりの参考にしていただけたら幸いです。

 

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金杉リチャード康弘