「すべては仕事が教えてくれた ~なりたい私になるために~」
「働くこと改革へ向けて」
今、仕事をすることに、多方面から規制がかかろうとしている。
仕事の場で、人がおこしてしまった過ちを、仕事を規制することで再発を防止しようとしている。
そのような背景もあるからか「働き方改革(多様な働き方オプションとその選択の自由の保障)」が、なんだか「働かせない改革」に近づいている気がしてならない。
仕事は、そのアウトプットとして国・地域・家庭の経済的成長や豊かさを実現するだけでなく、取り組みそのものの中に、多くの経験・学びをもつ。
単にスキルや能力に留まらず、人間的にも育つ場をもつ。
そんな大切な場を規制するのではなく、真に前向きな“働くこと改革”ができないだろうか?
「仕事はくすり」 だから“りすく”マネジメントが大切!
最近、大学の先生方からこんな相談がある。
「学生が社会に出ることをバイトの延長くらいにしか思っていない」「やるべきことが見えていないのに、やりたいことができる会社を選ぶ」。
そう、“仕事”について理解ができていないのである。
学校では学問は学ぶが、仕事や働くこと、キャリアを教えたり、十分考える授業はほぼない(最近は、特別講義というかたちでお呼びいただくことはある)。
人事を担当する中での感覚値ではあるが、体調を崩してしまう社員の多くは、業務量よりも、会社における理想と現実のギャップをうまく処理できないケースの方が多い気がする。
このまま学生たちが「自分のスキルを活かせて、おおむねやりたい作業ができる」と思って会社に飛び込んでしまったらと思うとゾッとする。
会社は程度の差こそあれ成長を期待し、チャレンジと支援を与え、結果を出すことを社員に求める。
そしてそれを楽しんでほしいとも思う。
これが仕事であり、働くことであることを、その前にしっかり学ぶこと、それぞれの仕事・働くことを考えることが、仕事を薬にするためにも、リスクにしないためにも重要なのだ。
「仕事は鏡」 気づきと自分育成計画を考える!
仕事をしていると、うまくいかないこともある。むしろそのほうが多いかもしれない。
業務そのもの、人間関係など様々な面で、思ったように進まない。
どうしてもこのような現状を、心で捉えて悩んでしまう。
大事なことは、“悩み”で終わらせず、悩み抜いたら(心で考えたら)、今度は頭で考える。
第三者的に、「あぁ自分さんは、このマインド、このスキルセットが足りないんですね。こういう行動も足りてないですね。」と対話し、周囲の力も借りながら、どう強化をする、どう変えるべきか考える。
会社の研修制度なども活用しながら、自分と対話し、自分育成計画=よく仕事を進める方法を策定するのである。
仕事の出来/不出来は自分自身に帰結し、仕事は自分の強化すべき点を映す鏡となり、どう自分が成長すべきかを教えてくれる。
ゆえに、仕事を雑務と捉えたり、言われたからやる、指示通りやるといった作業としてとらえていては、そこに成長はなく、理想と現実の間で悩まされる状況を作り出すことになる。
「仕事で育つ」 なりたい私になる!
仕事に基づいて立てられた自分育成計画の実行は、仕事の中で行われる。
仕事をすることで、仕事をうまくやるために取り組むことそのものが、自分を育てていく。
そのなかでのポイントが質は量から生まれるということ。繰り返すことで、血肉になり、安定的にできるようになる。
余談になるが、この心と頭の思考、のたうち回るくらい考え続け、そして自分育成計画を作り・実行してきた経験があったかどうかは、マネージャーの資質を形成する重要な経験であると筆者は考える。
このように、仕事は自己育成(形成)の非常に重要な場であり、現実的には社会に出てからは起床時間の半分以上を、この仕事というものに費やすことになる。
話は最初に戻るが、だからこそ、この仕事の定義、やりたい作業ではなく、自らが望むべき仕事とはなんであるか?学生のうちから、社会人になってもしっかり考えてほしい。
そして、なりたい私になるための、自分オーナーの仕事時間、常に自分が主語の仕事をしてほしい。
これこそが、“働くこと改革”であり、“それぞれにとっての仕事”を見つめなおすことで、「働き方改革」を成功させてほしい。
DLAは、組織・人に関するコンサルティングに留まることなく、あらゆる人が自ら自分の時間価値を高められるよう、学生・企業にかかわらず、仕事の考え方からスキル、マネジメントルール、運用体制(組織)の最適化・高度化まで広くご支援をしております。これから学生を社会に送り出そうとする先生方、若手の意識改革を行いたいマネジメントの方などなど、ご興味がありましたお気軽にお問合せください。
T.Y