平成を振り返り、新しい時代のHRを想う
あと1年3か月で平成が終わり、新しい時代を迎える。
生前退位という200年間行われてこなかった、(現行法制度を前提とすると)新しいかたちで、新しい時代の幕開けが行われることになる。
「HRの世界も、新しい時代の幕開けになるのではないか!」という期待をもつ一方で、少しだけ不安も感じている。
それは「新しい時代に、どう備えるか?」というところである。
変化に適応し、新しい時代でも“よい人事”ができるよう、HRの観点からも、平成を振り返り、新しい時代を想い・備えたいと思う。
“職場”の概念が変わった平成
工場で製品が大量につくられ、商品としてチェーン店に並び、売られる。
会社の机にはデスクトップPCが並ぶ。取引先からの連絡は会社の代表電話にくる…職場とは会社のことであり固定化されていたのが昭和だった。
平成に入り、ノートPC、携帯電話、ネットワーク、決済システムが進化・普及し、仕事に必要な道具と情報が職場でなくとも揃うようになった。
その結果、職場は必ずしも会社を意味しなくなり、セキュリティなどの一定の縛りはあるものの最適地業務実施が可能になった。
この「場」の概念の変化により、働き方・仕事の仕方は変化し、それに合わせたマネジメントへと、法制度も含めHRも変化対応が求められてきた。
この働き方・仕事の変化は、捉え方を変えれば、マネジメントの仕方(ビジネススキルの強化)や制度・ルールの改定ですむ話とも言える。
クリアできるかどうかは別としても、どうすればよいのかは、だいたいわかる問題であった(もちろん、これは決して簡単なことではなく、多くの企業、HRは苦労しながら取り組んできた)。
一方で、この数年のAI・IoT・Roboticsに代表されるテクノロジーの進化・確立のインパクトは違う。
“つなぐ”時代としての平成
すべての業界がテクノロジーを前提としたビジネスに再設計される。
すなわち、濃さは別としても、すべての企業がIT企業化することになる。
その企業において、採用はプログラミングができることが必須となり、すべての社員がITの専門性を有する…果たして、現在のマネージャー陣は、このような新しい業務・チームをマネージすることはできるのか?
おそらく、その答えは「わからない」ではないか。
自社がIT企業化するなんて想像できないし、そこでのマネジメントの在り方がどう変わるかなどわかるわけがないという声も多いのではないか。
しかし、ここ数年、新しく生まれているビジネスの全てがテクノロジーを起点・前提としたものであり、GEはすでに採用要件にプログラミングを必須とした。
小学校でのプログラミングも必修化される(ということは、すでにICT教育に取り組んでいる学校は結構多いことを意味している!)。
この世界は確実に近づいており、筆者は思ったより早くそうなると予想している。
HRは、自社がスムーズに新時代へと移行できるよう、平成のうちに仕込んでおく必要がある。
昭和に生まれた事業が平成に発展し、組織(マネジメント)もそれに呼応し発展してきた。
次の時代の事業と組織の在り様は、その延長線上にはなく、テクノロジーの力を借りて、非連続な発展を遂げようとしている。私たちHRは、今、この “つなぎ”ができるようしっかり準備し、取り組みを始める必要があるのだ。
HRは、テクノロジーの勉強を!
HRtechは、RPAを始めとするHR業務のコストリダクションと、できたら便利(なくても平気)の世界でその力をためている。
これはこれでよいのだが、ビジネスパートナーとしてのHRの本文を次の時代で全うするには、HRのtech化、つまりテクノロジーとそれがベースとなる新しいビジネスと組織を想像し、理解することが重要なのではと思う。
かく言う私も、テクノロジーの世界を理解する前は、ビジネスの勘所を外した議論やAIを使うことに意識が向きすぎた提案をしてきた。
どうやら、全然違うらしいと気づけた今、AI・IoT・Roboticsが事業として確立するまでに、なんとか自身の適応に向け、また、もがきだそうと思う。
DLAは、新時代に求められる新しい組織をリード・マネージできる人材の育成(内製化)と、彼ら新リーダー達の新規ビジネス創造を伴走型でサポートしております。
興味のある方、是非、お気軽にお問い合わせください。
T.Y