ダイバースリーダーシップ推進協会 ブログ

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~MBOにおける活きる目標設定思考とリーダーとしての行動~

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明けましておめでとうございます。

本年もDLAのメルマガをご愛読頂き、ありがとうございます。

 

お正月明けで業務に戻り、挨拶回りや仕事モードに頭を切り替え、今期の事業活動・キーアクションの再確認などに取り掛かられているかと思います。 

外資企業では、既に2018年度の計画は確定しており、計画実行現場への展開・目標設定を推進する段階かと思われます。 

また内資企業では、未完了事項の対応と3月までに2018年度の計画最終化に追われている中で、マネジメントの皆様は、本年度計画の遂行・推進をいかに成功に導くかを日々悩まれている方も多いと思われます。

 

【貴重な時間を費やして作成した戦略・計画がうまく動かない】

多くの方がご体験されている事かと思いますが、十分な時間を使って作成した戦略・計画が意図した方向性に進まなかったり、達成すべき目標に必要な行動が現場でとられていない事は少なくありません。

 これに対し、マネジメント側が、計画時点からの環境変化を受けて、On Timeに計画の見直し・現場への反映が出来ていない事もまた多くあります。

 

現場は戦略・計画を理解していない ⇔ マネジメントは現場を解っていない

 

という現象は、戦略・計画の運営のみならず、組織運営全体でよく聞く話です。 

戦略・計画の運営は、目標設定や遂行者であるリーダーの行動に大きく影響されます。

 

【従来の目標設定とリーダーの行動】

戦略・計画が思うように動かない、なぜなら現場⇔マネジメント間の理解不足がそこにあるから。

 

この問題が起きる理由について、コミュニケーションプランに改善の余地がある、と我々は考えていますが、多くの皆様は、既に「コミュニケーションは細心の注意を払って丁寧にやっているつもりだけど、、」と感じることでしょう。

 

多くの組織で採られている目標設定プロセスにおけるコミュニケーションは、以下のようなものではないでしょうか?

 

まず、上位層のマネジメントで戦略・計画が作成され、その達成目標が数値として現場に展開されます。 

現場のリーダーや担当者は、上からカスケードされて、数値とその部門への係数や課に関係する戦略の重要事項・行動目標などを伝えられます。 

そして、この戦略・計画に関する重要事項や行動目標は、リーダーから各メンバーに伝達されていきます。

この一般的にみられる展開手法自体には、全く問題はありません。

しかし、ここで重要なのは、

 

戦略・計画策定の背景や全体像、本質的な目的と狙い、到達すべきタイムラインを、現場のリーダーたちがしっかりと理解しているか?です。

過去記事、“事業・組織そして人を成長させる‘未来新聞’”で取り上げた医療機器会社の“未来新聞”(例)で確認できるように、企業に必要なことは、継続的に変化・成長する事で、その向かうべき方向性を明確に設計しておく必要があるのは言うまでもありません。 

 

そして、設計した未来に対して、自社の人的・知的リソースをどのように形成して行くべきかも重要であり、この人的・知的リソースの育成が各部や課、そして個人の目標設定に反映されるべき事は当然のことです。

 

【活きる目標設定とリーダーの行動】

“事業・組織そして人を成長させる‘未来新聞’”の記事にて、例として取り上げさせて頂いた医療機器会社について、補足します。

 

例示企業について:

・会社: 先進的なロボットアーム型医療機器による細かい手術や体内センサー開発メーカー

・10年後の医療制度規制が大きく変化と仮定し、遠隔治療が世界的に推進される事を想定

・自身のロボットアーム型医療機器をウエアブルアーマー型へとイノベーションを想定

・国境を越えた、スペシャリストによる経験の浅いドクターへの手術遠隔支援とアーマーへの自動学習機能の開発を想定

 

記事では、

 

「未来新聞を書くことで、10年後に達成すべき姿(目標)を明確にし、必要な組織と人材を具体的にコンピタンシーレベルまで定義すること」

 

「3年、1年後について、10年後を見据え、会社として活動内容と必要な組織・人材の定義を更に明確にし、現有人材とのコンピタンシーGAPを理解し、必要な手立てを打つこと」

が重要であることをご説明しました。

しかし、定義も重要ながら、前記事では触れなかったコミュニケーションプランこそが、実は最重要事項なのです。

 

コミュニケーションが重要なんて、そんなことは百も承知ですよね。

しかし、ここで今一度過去を振り返って頂きたいのです!

 

コミュニケーションプラン通りに戦略・計画の説明をしても、

 

現場は戦略・計画を理解していない ⇔ マネジメントは現場を解っていない

 

現象は残っていませんか?

なぜでしょう?

 

我々が、沢山の組織の戦略展開をお手伝いしてきた経験から持つ仮説は、皆さん、完成した戦略・計画を、いかに精緻にコミュニケーションするか?ばかりを考えておられるということです。

 

コミュニケーションは、戦略をつくる段階から始めるべきです。

 

コミュニケーションプランを考える際に重要なポイントの一部を整理します。

 

  • 全体像は明確か?
    • 自社の将来像(Long Term; 10年後)は、明確になっていますか?
    • 将来像を設計する際の環境変化(状態定義)は、明確になっていますか?
    • 自社の将来像に対しての組織・人材ニーズは、明確になっていますか?
    • 将来像に到達するための近年(3年・1年)のKey Activitiesは明確にあっていますか?
  • 現場のリーダーの巻き込みは十分か?
    • 戦略・計画を作成する際に、事業部長以下の部長・課長・チームリーダーを巻き込んでいますか?
    • 上層部で、作成した方向性に対するアイディアなどを現場リーダーや若い層からの意見を確認していますか? 
  • 伝わる形で伝えられているか?
    • 各部門・課に展開するキー戦略は、明確にハイライトされ、部門の理解できる言葉や定義になっているか? 
    • 目標設定としてMUSTで各部門レベル、個人レベルで採用する内容は明確に確定されているか?
  • 戦略と人材計画はリンクしているか?
    • 将来像や作成されている戦略・計画を人事部長/人材開発のキーマンは明確に理解し、人材開発計画に反映されていますか?

上記のポイントは一部ですが、3つ以上の質問に“×”がつく場合は、早急に自社の戦略・計画運営プロセスや体制、カルチャーへの処方をする必要があります。 

DLAでは、このような企業の難病に対して、オルガニックな処方(=外部だのみでなく、組織が自活するためのソリューション)を提供しております。会社の存在価値と魅力を最大化するために、人と組織の観点から会社組織の成長変革をサポートします。 詳しくは、ウェブサイトをご参照の上、お問い合わせください

 

プルック エディー ヴィリヤブパ

 

 

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