ダイバースリーダーシップ推進協会 ブログ

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手放す勇気を持て(シンギュラリティ時代の人材マネジメント 第2回)

【手放す勇気を持て】

 

前回に引き続き、これから本格的な到来をするAIの時代、

シンギュラリティ("技術的特異点レイ・カーツワイル時代の人材マネジメント第2弾です。

(合わせて前回内容も宜しければご一読ください。近々ウェブサイにもバックナンバーをアップ予定です)

 

 

 

 シンギュラリティ時代の人材マネジメントは、3つのステップで考えるとわかりやすいと思います。

 

第1ステップとしては、「個人が新時代に適応するスキルと考え方を身につけること」(前号で記載)

第2ステップとしては、「その個人を統合するプロデューサー人材が適切に配置されること」

第3ステップとしては、「答えのない中、素早くイノベーション創出させ続けるマネジメントを確立すること」

 

 そしてこのステップはスピード勝負です。

 

 

固執を捨てる】

 今回は第2ステップである、技を持ったプロ達を理解し、統合するプロデューサー人材について考えてみたいと思います。

そのエッセンスが「手放す勇気を持て」です。

 

 手放すという言葉の反意語を考えてみると、「執着」という意味がかなり近いのではないでしょうか。

執着は一概に悪いものではありませんが、「固執」になってしまうと危険水域です。

人が何かに固執してしまう場合、心理面での解放が出来ないことにその原因があるのではないでしょうか

 

 仕事で言えば、「これは自分だけの仕事」「私の仕事以外はやらない」「自分は十分に出来ている」「今更、新しいことには挑戦したくない」

「他人や部下に任せるくらいなら自分でやった方が良い」「過去に成功したあのやり方でなくてはならない」

などがその兆候で、本人は固執している自覚のないものが多く存在します。

特に、過去の成功体験は手放しがたいものです。しかし、過去の成功体験に縛られ過ぎると、新たな出会い、発見、成長の機会を

自ら閉じてしまう確率が高まります。

 

【停滞は罪】

 これからの技術の進化は、想像を超えるスピードで起こります(シンギュラリティの中では「指数関数的進化」と記載されており、

意味するところは、現在と10年前、50年前、100年前を比べて見ると、最近の10年のテクノロジーの進化、世の中の変化のスピードは

確実に早くなっており、この傾向はさらに加速されるというものです)。

 

 この指数関数的な進化の中では、「停滞は罪」=すなわち、去年と同じ発想、スキル、経験、能力に留まることは世の中の進化と相対

すると、ゼロではなく寧ろマイナスにすら成り得るという恐ろしい時代に突入します。そもそも人類は進化し続けているのですが、

ここから先はそのスピードが著しく早くなるということが最も大きな違いです。

 

 即ち”いかに早く成長するか?”がキーワードになります。

このような中で、手放せないものがあると足かせになりますね。
 

 

【異能統合には解放が必要】

 プロデューサー人材は、手放せないものや過去への固執がなく、長の早い異能を目利きし

「統合したチームの成功をイメージし、グランドデザインし、実現できる人材です。(次号で詳述)」

 

 目利きするには、まず自らが何かを極めるまでやる、それは、目的意識なくしては達成できません。

そしてその過程では、人は必ず「自分ができないこと」について向き合い、克服することで初めて、「できること」

確に見えてきます。

 

 他者を理解する際、自ら何かをやり込んだことがないと、「できること」の部分が抜け落ち、

他者の足りない(ように見える)点ばかり批判的に見がちになってしまうか、吟味せずに

「他者の方が自分よりすべてにおいて優れている」という根拠のな劣等感を持ってしまうかです。

 

 極めることで深みを知り、他者に接する際にも「この人は何ができて何ができないのか」という

具体的な行動や能力を見られるようになります。

 

 異能の活用では様々な壁を超えた統合が起こります。違う部門との統合、多様な人材との統合、

他社との統合、業界を超えた統合、これまでの発想とは全く異なった統合が無限に拡がる可能性が考えられます。

 

 その際、今までの経験、技術、スキルは生かしつつも、新しいことへの挑戦が必須になってきます。

新たな挑戦では、固執ではなく物理的にも、心理的にも変化を楽しむ、新たな出会いを楽しむ、

異なった統合による予想外の出来事を楽しむ、解放(過去の栄光に固執するのではなく、手放す勇気を持つこと)

これからの人材に求められる要件ではないでしょうか。

 

 次回は、「答えのない中、素早くイノベーションを創出させ続けるマネジメントを確立すること」

について考えたいと思います。

 

 

金杉リチャード康弘

 

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