ダイバースリーダーシップ推進協会 ブログ

ダイバーシティと多様性を強みに変える組織作りコンサルティング 育成のプロ集団、ダイバースリーダーシップ推進協会のブログです。

事例で考えるダイバーシティ推進(あるメーカーIT部門の例)

これまで本メルマガ・ブログで様々な視点・考え方をご紹介してきましたが、みなさんの組織・チームでのダイバーシティ推進の参考になっているでしょうか?

今回は現在筆者がご支援させていただいている事例を題材に、ダイバーシティ推進を考えるきっかけについてのおさらいをしてみたいと思います。

※実際の案件をベースとしているため、テーマに支障のない範囲で事例の内容は改変しています。

 

事例:ある大手機械メーカーIT部門の例

筆者のご支援させていただいている案件の中に、ある機械メーカーの大規模IT更改プロジェクトがあります。

社員数万人を抱える大手企業で、全社に関係するITシステムの更改ですから、調整先となる関係者も多く非常に難易度の高いプロジェクトといえます。

それだけに経営陣の関心も高く、予算・人員を始めとしたリソースは相応に用意されており、また社長以下役員層から折りに触れた全社メッセージが発信されるなど、「経営陣の支援」という観点では比較的恵まれた条件が整っていると言えます。

 

しかしこのプロジェクト、開始半年で迷走をはじめ、3年後のゴール達成が実現できるか危うい状況となってしまったのです。

その後ご縁があってお呼びがかかった筆者が目にしたのは、まさに「ダイバース・リーダーシップの欠如」が現実のものとなった光景でした。

 

見過ごされた多様性

実はこのプロジェクトを推進しているIT本部は、設計用CAD/CAM系統、工場での生産管理系統、事務部門の系統、、等、これまで別々に存在していたIT関係の部門を統合して発足したばかりの組織でした。

また、新たに取り組む大規模プロジェクトを統括・支援するために、グループ会社からCIOを始めIT企画・管理の経験者を大規模に補充していたのです。

 

一見すると「大規模プロジェクトをやりきるために組織も人も統合して取り組む」という好事例に思えます。

(予算も人員も欠けた中で「なんとかやって」と言われる案件を数多く見てきた筆者からは羨ましくも思えるほどです。)

しかしまさにこの「統合」という点に罠が潜んでいました。

 

この会社はいわゆる「日本的」といえる伝統ある大企業で、長期安定的な雇用環境の中で社風・企業文化を共有して育った社員達が多くいます。

また外部から招聘したメンバーもグループ会社からの社員でしたから、「集めてくれば、皆すぐにチームとして機能できるはず」という「思い込み」があったのです。

 

実際にはそれぞれ系統別に運営されてきたシステムを対象に、人材も系統別に育成されており、部門間での交流もあまり無かったため(本人たちに特に悪意はなくとも)強固なセクショナリズムが形成されていて、「チーム」として機能できる状態では全く無く、更に自分たちのやっていること・やり方が「おかしいのではないか?」という異論を唱えることも難しくなっていたのです。

※【真のイノベーションを阻害するモノカルチャー組織】

http://diverseleadership.hatenablog.com/entry/2017/05/02/075406

 

まさに本メルマガ・ブログでも繰り返し登場している「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」ですね。

ダイバーシティ = 女性・外国人活用 ではない」とも繰り返している通り、この組織は(あえて簡略化していえば)日本人男性中心の、しかも「同じ釜の飯を食って」育ったはずの、一見すると均質性が高い「ように見えてしまう」メンバーで構成されています。

「同じ『だろう』という思い込み」、これこそが思考停止を生み、目の前の一人ひとりと向き合うことを忘れさせてしまったのですね。

※自分の偏見度合いご存知ですか?

http://diverseleadership.hatenablog.com/entry/2017/07/11/070806

 

対策:「魔法の杖」は存在しません。粘り強く対策を続けましょう

さて、ではどうしたら良かったのでしょうか?

 

このプロジェクトはまさに現在進行中なので、何が正解なのか、そして最終的なゴールにたどり着くことができるのか、今の時点ではまだ分かりません。

しかし今大急ぎで巻き返しを図る中で取り組んでいることは、プロジェクトの作業と並行して、自分たちのこれまでの仕事のやり方を棚卸しし、できていること/いないこと、分かること/分からないことに向き合うことです。

 

これには大きな抵抗もあります。一番多く聞かれるのは「ただでさえプロジェクトが遅延しているのだから、プロジェクト作業に集中すべきだ」という声です。

しかしそうでしょうか?よくよくその声に耳を傾けて見ると、実のところその奥底には「今まで出来ていなかったことを認めること」への恐れがあるように感じられます。

「無意識の偏見」は人の心理に関わるものなので、そこに触れられることへの抵抗感は非常に大きなものとなるのですね。そのことを良く理解したうえで、粘り強く対策を続けていくことが必要だと考えています。

シリコンバレーに学ぶ無意識の偏見のなくし方

http://diverseleadership.hatenablog.com/entry/2017/10/31/080704

※あなたは楽しんでいますか?〜組織に眠る才能の発掘方法②

http://diverseleadership.hatenablog.com/entry/2017/09/19/083706

 

はてさてこのプロジェクトはうまく立て直すことができるのか。良い結果をご報告できるよう、これからも日々精一杯取り組んでいきますので、ぜひ皆さまご期待ください。

また、皆さまのチームでのお悩み等ありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

 

I.Y.

 

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シリコンバレーに学ぶ無意識の偏見のなくし方

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人間がもっている偏見は、ダイバース・リーダーシップ推進協会が取り組むもっとも重要なテーマの1つであり、本メルマガ・ブログの過去記事の中でも、たびたび取り上げています。

 

中でも、無意識の偏見をなくすには アンコンシャス・バイアスに打ち勝つ方法 の記事は、最も多くの方に読んで頂いた記事で、この問題に対する注目度の高さを我々も実感しています。

 

ところで、アンコンシャス・バイアスという言葉は、まだ日本では一般的ではありません。

無意識の偏見、といえば、意味は通じますが、日本では、そもそも偏見について、社会として考える機会が少ないということもあって、偏見についてもう一度考えることからこの記事を始めてみたいと思います。

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働き方改革の行き着く先は?

働き方改革の行き着く先は?

 

【問いのない議論】

 

「働き方改革」という文字を見る機会が増えたと感じられている方は多いのではないでしょうか?しかし、その実態は、時短、テレワーク、プレミアムフライデーなど、まだまだHow論に終始しているケースが殆どなのではないでしょうか?

 

なぜ、このような状況になるのか?

それは、そもそも働き方改革を何のために行うのか?何を解決したいのか?

という本質的な問いについての議論が不十分なまま、

取り組みだけが先行する、ということなのではないでしょうか?



政府主導の働き方改革実現会議でも、時間外労働の上限規制(=過労死の撲滅)、同一労働同一賃金(=非正規雇用者の削減)の是正が目玉の政策とされているようですが、そもそも過労死を防ぐのは企業の責任、国の責任として当然のことで、議論の余地はなく、一刻も早く対応すべき課題です。

 

しかし、働き方改革は、そのための方策なのでしょうか?



【逆向きの矢印で考える】

 

筆者は「どうもピンと来ない」と感じた際、よく行うのが反対を考えてみる、というアプローチです。この場合、では時短ができたとする、あるいはテレワークが上手く機能した場合、それは「働き方改革が成功した」と言えるのか?といった具合です。

 

過労死がなくなれば

非正規労働者が減ったら

働き方改革は成功したと言えるのだろうか?

 

社会で「マイナスの状態」「問題がある」と考えられている課題や解決が必要な状態は、それがなくなれば、いわば「平常」に戻るだけであり、改革とは言えないのではないでしょうか?

 

そもそも何故、時短やテレワークが必要なのか?何故過労死が増えたり、非正規雇用が増えたりするのか?その本質に対する問いを立てる必要があるのではないでしょうか?

 



【働き方改革の目的】

 

前回のメルマガで述べさせて頂いた通り、これから、日本に生きる我々は、

「1億総Transform時代」を迎えます。

未曾有の激変に臨むにあたり、これまでの仕事の取り組み方では対応が難しい。故に、これまでのビジネス、それを支える仕組みそのものが、制度疲労を起こし始めているのです。

 

それに対応するために、抜本的なビジネス変革が必要となっており、それに伴い働き方も抜本的に見直す必要に迫られているということだと思います。

 

すなわち、働き方の前に、どのような変革が求められているのか?を先に明確にし、その上でどのような働き方が必要か?を考えるのが筋というものだと思います。

 

今回は、我々が考える世界観を少しだけ述べさせていただきます。



【広く、深く、速く】

 

1億総Transform時代において重要な3要素は、

①これまでより圧倒的に広い範囲で、

②最高水準の深い専門性・技術・知識・経験を有し、

③テクノロジーの進化に負けない速さ

で、この3要素をいかに迅速に実現できるか?が最大のポイントとなるのです。

 

それは最早自前だけでは到達できない領域となる可能性が極めて高く、異業種間、地域ネットワーク間における多様性を最大活用する働き方が不可欠となる世界になるのです。

 

新たな時代の働き方改革の具体的な方法について、ご興味のある方は是非、お問い合わせをください

 

金杉リチャード康弘

 

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